【対談 vol.3】ヴィンテージショップオーナーのそれぞれのスタイル

私たち姉妹が気になることを発信する「KIRA CLOSET journal」。
5月に『キラクロのヴィンテージ服とファヴォリのアンティーク雑貨を楽しむ日』を一緒に開催した
Mon Antique Favori(モンアンティークファボリ)』のオーナー
Mayumiさんと妹の対談をお届けします。

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ふたりの出会いはフランス!

木川あきら(以下A)「Mayumiさんとの最初の出会いは、フランスに行った時の宿泊先が一緒だったことが始まりだよね」

Mayumiさん(以下M)「そうそう、日本人がオーナーのシェアハウス」

A「けっこう前だよね。8、9年前とか? もしかして10年は経ってるかも!」

M「そうやな。何回か滞在のタイミングが被ってそこからよな」

A「その後、そのシェアルームは利用しなくなったんだけど、連絡取り合ったりしてたよね。Mayumiさんは関西在住だから日本で会うことはそんなにないけど、買い付けのタイミングでフランスで会ったり。Mayumiさんの買い付けは滞在が長いからそれに合わせて私も予定組んだりしながらね」

M「タイミング合えば、買い付けを一緒に回ったりもするしな。誰かがいるとトイレ行きたいときにめっちゃ助かる(笑)」

A「そうそう。荷物番ね(笑)。買い付けを一緒にしても扱ってるジャンルが違うからライバルみたいになることもないしね」

M「それは重要よな」

 

自分が好きなことを仕事にしたいと思って始めた

『Mon Antique Favori』のアイテムたち。

 

A「私と出会ったときはもうすでに大先輩だったから、これまで聞いたことがなかったんだけど、Mayumiさんが『Mon Antique Favori』を始めようと思ったのは何かきっかけがあった?」

M「きっかけというか、自分が好きなことを仕事にしようと思ったからやな。それまで飲食店や服屋で接客業とかしてたんだけど、私には向いてないと思ってた。でも、特にこれがやりたい!というのもなかったから……。そんなときに知り合いの雑貨屋さんに遊びに行ったらアンティークの雑貨が並んでいて、それを見たときに衝撃を受けたわけよ」

A「その世界を知らなかったってこと?いつ頃の話?」

M「働き始めてやから、19とか20歳の頃の話で、それまでは知らんかった。そのときにアンティーク雑貨を買い付ける仕事があるんや……ということを知って、自分もやってみたいと思ったことが最初。どうせ働くんやったら自分の好きなことをしてみようと思った」

A「へー初めて聞いた。でもやっぱりヴィンテージやアンティークの世界ってそういう気持ちになるよね。私も初めてのときは衝撃受けたもん

Mayumiさんのお店はイベントに出店することもあるけど、基本はオンラインのお店。アンティーク雑貨を取り扱っているとアンティークの知識がすごいあると思われがちだけど、Mayumiさんはそこを追求しているわけではなくて独自のスタイル。そういった意味では、キラクロとはまったくテイストが違うけど、共感できる部分があると感じていて」

M「あきらちゃんはすごいよね。買い付けもして、接客もして、お直しもして、いつも色々考えてる。私は買い付けが好きやから買い付けのことしか考えてない(笑)」

A「確かにそこはMayumiさんと私は全然違う! 私はリアルや対面であることにずっとこだわって店舗運営をしていたから、お客さんとのコミュニケーションはめちゃくちゃ重要。むしろそこを深めたくて今の営業スタイルにしたくらいだから。

以前、何度かMayumiさんが東京でイベント出店するときに手伝いにいったことがあったけど、Mayumiさんのお客さんとのやりとりがドライでびっくりしたことがあった(笑)」

M「そういうつもりではないけど、あえて自分から話しかけることはないし、聞かれても知らないことは知らないって言うからかな。アンティーク好きな人ってコレクターさんも多いし、私より詳しくて、逆に教えてもらったりしてる(笑)」

スタイルは違うからこそ勉強になる!

ファボリとのイベント後に開催した『キラクロ蚤の市』。

A「私もまだまだ経験の浅い20代だったのもあって、そんなにはっきり知らないですって言うんだ!って衝撃を受けたのを覚えてる(笑)。そのラフさというか、気構えない感じがMayumiさんらしくて、お客さんも全然気にしてない感じだったし、それが『Mon Antique Favori』のスタイルなんだなと。

接客もそうだけど、キラクロで取り扱う洋服は今も着られるようにブラッシュアップ(お直し)することも大切にしているけど、Mayumiさんが取り扱っているジャンルは古ければ古いほうがいいという価値観があるよね」

M「もちろんお手入れはするんやけど、古いものはそのままの、出来るだけ当時の状態を残したいからピカピカに磨き上げることはないかな」

A「いわゆる風合いだよね。そういう話だったり、Mayumiさんのラフさだったりに私はいつも刺激を受けてるよ。私は基本同業の知り合いが全然いないんだけど、Mayumiさんとはなぜか仲良くて……。なんでかなって考えた時に、いつでもどこでもマイペースというか、お互い個人主義なところがすごく似てるんだと思った。そもそも個人主義の国で出会ってるしね(笑)」

M「確かに(笑)」

A「で、キラクロが移転して、今までやってこなかった、小さなイベント的なことをどんどんやっていきたいなと考えたときに、まずはMayumiさんと一緒にしてみたいなって思ったの。けっこう早くから誘ってたよね。次、東京来るときにやろうねって」

M「ずっとコロナで東京に来れてなかったけど、すごく久しぶりに東京のイベントに出店することになって。その前後であきらちゃんのところでもって流れだったんだけど、連日接客するのは不安やったな。体力的に」

A「それずっと言ってたね(笑)。でも実際やってみて、ありがたいことに私たちが想像する以上に反応が良かったよね」

M「完全予約制だから、お客さんとゆっくり話せて、他のイベントとはまた違う良さがあって、私も楽しかった。あと、あきらちゃんとキラクロのお客さんとのやりとりを見てて、あきらちゃんがいつも言ってることが分かった気がした。お客さんとの信頼関係というか、それを感じた」

A「え、それはうれしい。私は1回やったことで、キラクロ蚤の市とかその後のやりたいイベント案が色々イメージ出きて良かった♪ オフラインも悪くないでしょ?(笑)」

M「(体力的に)毎日は無理~(笑)」

 

Mon Antique Favori
現地に足を運んでひとつひとつ選んできたフレンチアンティークをメインに
ブロカント雑貨を取り扱ったオンラインショップ。

 

KIRA CLOSET journal
木川誠子