役目を終えた建物や土地への感謝を文化に「棟下式」とは?

 

私たち姉妹が気になることを発信する「KIRA CLOSET journal」。
今回は初の試み!
ゲストライターを迎えて私たち姉妹とは違った視点からお届けします。
気になるテーマは…住宅業界で話題となっている「棟下式(むねおろしき)」。

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ご近所などで家を新築したとき、
建築中の建物の上から投げられたお餅やお菓子を投げる
「餅撒き」「投げ餅」などと呼ばれるこの儀式をご存知ですか?

「棟上げ」「建前」「建舞」など、
地域によっていろいろな呼び方があるようですが、
建物が長く無事であることなどを願って行われる「上棟式」という儀式の中のひとつ。
どうやら木川姉妹は経験があるようです。

では逆に建物を壊すときには、どのような文化があるのでしょうか。
「清祓い」という神事はあるようですが
特に決まった形式のものはないそうです。

住宅開発などを手がける「ポラスグループ」の中央グリーン開発は、
グループとして初めて、
分譲予定地の開発前に地域の人を招いた「棟下式」を開催。
北越谷の旧朝日信用金庫研修棟&グラウンドで行われたこの儀式が、
役目を終えた建物や土地への感謝をするためのもの。

 

餅撒き、落書き、ねぶくろシネマとみんなが大はしゃぎ

 

今回、開発が決まった「越谷市南荻島プロジェクト(仮称)」では、
戸建分譲住宅全64棟の販売が予定されています。

もともとは研修などに使われていた建物があり、
かつては地域自治会の運動会会場となっていました。

しかし、建物の老朽化が進んだことなどから再開発が決定。
長年、当たり前に存在していた建物とグラウンドがなくなってしまう前に、
この場所に親しんできた地域の方々と何かできないだろうか。
そこで今回の「棟下式」の開催が決まったそうです。

神事としての儀式だけではなく、
地域の人に楽しんでもらうためのイベントとして、
地域の方も一緒にお祓いを見守ったり、
餅撒きをしたりとさまざまな企画が実施されました。

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建物の中には研修施設だけあって、
ベッドやソファ、サイドテーブルや大量の食器など
“古すぎて売ることはできないけど、
まだまだ使えるもの”がたくさん。

このたくさんのアイテムを訪れた人に持ち帰ってもらい、
リユースしてもらう「お宝発見ツアー」では、
たくさんの人が「これはウチで使えそう!」と、
その人だけのお宝を発見していました。

 

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子どもたちは取り壊し予定の建物の壁に自由に落書きや
建築現場などで使用されている重機への試乗、
竹細工のワークショップと、
普段はできないことをいろいろと体験しておおはしゃぎ♪

 

そして、イベントを締めくくる催しは、グラウンドで行われた「ねぶくろシネマ」。

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こちらでは上映中におどろいて声を上げても、思わず笑ってしまってもOK。
いつも通りの場所だけれど、いつもと少しだけ違うこの時間は、
きっと素敵な思い出になったのではないでしょうか。

「ここには昔グラウンドがあって、みんなで寝そべって映画を観たよね」と
そんなふうに懐かしむ日が来るのかも知れません。

 

壊す前にできること。感謝の心を文化に

 

越谷市南荻島は、北越谷駅から徒歩圏ながら桜並木や遊歩道のほか、
宮内庁鴨場も対岸と自然があふれる場所。

元荒川(近隣環境)DSCF4161_R 元荒川(近隣環境)DSCF4158_R

元荒川に面しているため、
卓越風が気持ちよく抜けて夏でも涼しく過ごせるそう。

 

分譲の詳細はまだこれからとのことですが、
これらの環境に適した緑あふれる環境と、
安全・安心のために門灯、外壁等などを工夫した
美しい景観と夜道の防犯性を高めた街づくりを進めていくとのことです。

早ければ今年の年末ごろから第1期の販売を開始し、
最速の方の入居予定は2018年6月ごろになるそうです。

老朽化や環境の変化など、
すでにあるものを壊して新しく作り直すことは、
時に必要なこと。

だけど新しいものに目を奪われすぎて、
長年お世話になった場所に感謝し、
リユースなど、「物を大切にする」気持ちを、
つい忘わすれがちです。

今回のような催しは、
言ってしまえば土地や建物との上手なお別れの会。

なくなってしまうものへの寂しい気持ちを受け止めてもらえる
その方法のひとつが「棟下式」なのかもしれません。

 

 

取材協力/ポラスグループ 中央グリーン開発株式会社

 

 

 

KIRA CLOSET journal
Guest writer 宮崎新之